肝斑(かんぱん)という言葉を聞くと、「女性特有のシミ」と思われる方も多いのではないでしょうか。確かに、肝斑は女性、特に30代から50代の女性に多く見られるシミの一種として知られています。しかし近年、男性にも肝斑ができることが明らかになり、その発生率や原因、治療法について注目が集まっています。
この記事では、男性にも肝斑ができる理由や、女性とは異なる男性特有の原因、さらに適切なケア方法について詳しく解説します。
まずは肝斑について簡単におさらいしましょう。
肝斑は、顔の特定の部位に左右対称に現れるシミの一種です。特に頬骨のあたり、額、口の周りなどにぼんやりとした薄茶色のシミが現れるのが特徴です。肝斑は、メラニン色素の生成が過剰になることで発生しますが、その原因はホルモンバランスや紫外線、摩擦など複合的な要因によるものです。
一般的には、女性ホルモン(エストロゲン)の影響を受けやすい女性に多く発生するとされてきました。しかし、男性にも肝斑ができることが分かり、そのメカニズムや治療法が研究されています。
男性の体内にも女性ホルモン(エストロゲン)は少量ながら存在します。このホルモンバランスが乱れることが、男性の肝斑の原因の一つとされています。例えば、以下のような状況でホルモンバランスが変化する可能性があります。
加齢:男性も年齢とともにホルモンバランスが変化し、肝斑が出やすくなることがあります。
ストレス:ストレスによるホルモンの乱れは、肝斑の原因になることがあります。
男性は女性よりも日焼け止めを使用する習慣が少なく、日常的に紫外線を浴びる機会が多い傾向にあります。紫外線は、メラニンの生成を活発化させ、肝斑の発生や悪化の一因となります。
ヒゲ剃りによる肌への摩擦も、男性特有の肝斑の原因の一つです。毎日のヒゲ剃りは肌に少なからず負担を与え、メラニンの生成を刺激する可能性があります。
また男性は肌を労ることを女性と比較するとそこまで丁寧なケアをしている方も一般的には多いわけではないので、洗顔の際にゴシゴシと擦るような洗い方や拭き方を毎日すると刺激や摩擦が起こり、肝斑が出現する原因となります。
誤ったスキンケアの仕方による肝斑悪化も多くあります。
喫煙や飲酒:血行不良や代謝の低下を引き起こし、シミや肝斑を悪化させることがあります。
睡眠不足:肌のターンオーバー(新陳代謝)が乱れると、シミができやすくなります。
肝斑は他のシミ(老人性色素斑やそばかす)と混同されやすいですが、以下の特徴で見分けることができます。
左右対称に現れる:肝斑は、頬骨のあたりや額、口の周りなどに左右対称にぼんやりと現れるのが特徴です。
境界がぼやけている:老人性色素斑のように輪郭がはっきりしていないのが特徴です。
紫外線や摩擦で悪化する:日焼けやヒゲ剃りなどで肝斑が濃くなることがあります。
男性の場合、シミや肌トラブルに対する意識が女性より低いこともあり、「ただのシミ」と見過ごされることが多い傾向にあります。しかし、肝斑は適切な治療を受けることで改善が可能です。
肝斑はセルフケアだけでは改善が難しい場合があります。専門的な治療を受けることで、効果的に肝斑を薄くすることができます。以下は、男性にも適した肝斑治療法です。
低出力のレーザーを肌に照射し、メラニンを除去する治療法です。肝斑は通常のレーザー治療では悪化することがありますが、レーザートーニングは肝斑に特化しており、安全に治療を進められます。昔からレーザートーニングは肝斑で唯一照射ができるレーザーとして一躍人気となりましたが、レーザーの効果が柔らかいため効果を感じるまでに12回以上受ける方や、それ以上でも改善が見られない方も中にはいます。
1.トラネキサム酸:肝斑治療に効果的とされる薬で、メラニンの生成を抑制します。肝斑治療中はこちらの内服薬がマストアイテムとも言えます。
2.ビタミンC:抗酸化作用があり、シミや肝斑を予防します。
3.L-システイン:メラニン排出を促進する働きがあります。
1.ハイドロキノン:肌の漂白作用があり、肝斑を薄くします。効果も高い分、肌に合わないと赤みが出たりヒリヒリ感が出る場合があります。
2.トラネキサム酸入りの美白クリーム:肝斑の治療をサポートします。
3.コウジ酸:味噌や醤油、日本酒の製造過程で生まれる発酵物質で、米麹などから得られる天然成分です。主に美白効果で知られ、メラニン生成の元となる酵素「チロシナーゼ」の働きを抑制することで、シミやくすみの予防・改善に役立ちます。また、抗酸化作用も持ち、肌の老化を防ぐ効果が期待されています。敏感肌にも比較的優しい美白成分として、多くのスキンケア製品に活用されています。
上記のレーザートーニングで効果があまりなかった方、または早く効果を感じたい方にお勧めな治療法でマイクロニードル+RF高周波を肝斑の層に直接アプローチができるシルファームXも肝斑に効果があります。
肝斑はシミのある層、表皮の中でも基底膜という真皮層の手前に肝斑はできることで、基底膜に色素沈着しているような状態です。シミはもっと表面の部分に存在するので肝斑の方が少し深いイメージを持つといいでしょう。この基底膜は年齢とともに脆くなり、様々な要因で色素が溜まっていくので、この基底膜をシルファームのRFでピンポイントに刺激して再生を促すことで色素ごと改善、さらに今後も肝斑ができにくい肌へ変えていくことが最大の特徴と言えます。トーニングと比較しても6回前後で効果を実感する方も個人差もありますが多く話題最新の治療法と言えます。
紫外線は肝斑を悪化させる大きな要因です。日焼け止めを毎日塗る習慣をつけ、帽子やサングラスで紫外線を遮断しましょう。塗る時は擦らずに優しく馴染ませることもポイントです。
1.保湿を徹底:乾燥は肌のバリア機能を低下させ、摩擦による刺激のダメージを大きくします。肝斑を悪化させます。
2.刺激を避ける:ヒゲ剃り後は刺激を抑えるアフターシェーブローションを使用しましょう。
1.バランスの良い食事:ビタミンCやEを多く含む食材(柑橘類、ナッツ類)を意識して摂取。
2.睡眠の確保:肌の修復時間である22時~2時にしっかりと睡眠をとりましょう。
3.ストレス管理:運動や趣味でストレスを発散することが大切です。
肝斑は女性だけの問題ではなく、男性にも発生する可能性があります。特に紫外線や摩擦、生活習慣が影響することが多いため、日々のケアや適切な治療が重要です。
「ただのシミだ」と放置せず、専門の皮膚科で診察を受け、自分に合った治療法を見つけましょう。また、紫外線対策や保湿ケアなどの日常的な努力を続けることで、肝斑の予防や悪化を防ぐことができます。
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